先日のワールドカップで、日本代表のゴールキーパーを務めた鈴木彩艶選手のインタビューを見る機会がありました。
冷静に試合を振り返られている中で、印象的だった内容だったのが、
「失点をした後に、いかに素早く頭を切り替えるか」ということです。
ミスだけでなく、いいプレーをした後も含めて、以下のように述べていました。
「頭にそのプレーが残っていると、次のプレーに冷静に対応できない。
どんなプレーをしても、頭をクリアにして次のプレーに臨むことが大事です」
(引用:ANNnewsCH)
ミスを引きずらずに、次のプレーに集中すること。
この能力こそが、最高峰の舞台に立つ上での必要な「スキル」ということを話されていました。
失点を引きずる心理的な理由
なぜ、人はミスをした後に、ずっと引きずってしまうのでしょうか。
それは、「失点をしてしまった」、「ミスをしてしまった」という過去の記憶に、脳のメモリ(容量)を奪われてしまっている状況です。
そのため、今するべきことに、脳のメモリを十分に振り分けることができず、集中力を欠いた状態でプレーし続けることになります。
そのため、ミスを繰り返すという、負の連鎖が生じてしまうと言われています。
また、「今度はミスしないようにしようと」という思いが、皮肉にもそのミスを誘発してしまうということです。
「ピンク色の象をイメージしないでください」と言われたら、多くの人が、ピンク色の象を想像してしまう現象です。
意識しないように、という意識こそが、雑音になると言われる所以です。
さて、スポーツの中で「切り替えろ、切り替えろ」という掛け声はよく聞きますが、具体的に何をすればいいのでしょうか?
スポーツ心理学では、「失敗を引きずらずに、気持ちを切り替える」方法について議論されています。
その中で、今回は3つに絞って紹介してみようと思います。
- 物理的な「切り替えスイッチ」を作る
- 今できることに集中する
- 雑音を遮断する
1.物理的な「切り替えスイッチ」を作る
例えば、「シューズの紐を締め直す」や、「ラケットのネット部分を拭う」など、
「これをしたら気持ちを切り替える」という物理的なスイッチを決めておくことです。
シカゴ・カブスには、ケン・ラビザという有名なメンタルコーチがいました。
彼は、ミニチュアのトイレをダグアウトに設置して、
ミスをした選手は、そのトイレのレバーを引いたと言われています。
こうして、文字通り、選手は「ミスを水に流す」ことができ、
視覚的にも、物理的にも、すっきりとした状態になれたと言われています。

2.今できることに集中する
また、ミスをすることで、「しまった」という動揺や、後悔が広がりますよね。
そこで、いつもやっている動作をすることで、平常心を取り戻し、雑念を抑制できると言われています。
元テニス選手のナダル氏は、鼻や耳を触るなど、自分がコントロールできる動作を通じて、
過去のプレーから離れ、現在の動作に集中していたと言われています。

3.雑音を遮断する
ミスをした後は、多くの場合、相手ベンチや観客の歓声など、「雑音」が生じることになります。
その際に、インプットされる情報を制御するという手法が有効だと考えられています。
例えば、投手であれば、グラブの結び目の一点を見つめるなど、強制的に意識を外から切り離すことが有効だと言われています。
また、テニスでは、コートに背を向けることで、相手選手や、ミスした場所から脳を切り離し、
ネガティブなイメージが再生されないようにすることも有効と考えられています。
まとめ
今回は、失点後に気持ちを「切り替える」技術について書いてみました。
気持ちを素早く切り替えられるのは、才能ではなく、スキルだと感じてもらえたらと思います。
今回紹介した、3つの内容を参考に、気持ちの切り替えに取り組んでみてください。
1.物理的な「切り替えスイッチ」を作る
2.今できることに集中する
3.情報を遮断する
今回は以上です。ありがとうございました。

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